開発日記 第9話

您好(ニーハオ)!

私はロッコーエンジニアリング 開発事業部の中国人スタッフ 郭です。

今回は私が担当させて頂きます、皆さん宜しくお願いします。

中国実用化テスト

2007年12月日系商社の現地法人 中国長春S商事様からのご紹介で、

I自動車様へのデモと実用化テストを実施することになりました。

I自動車様は中国で一番大きく、とても有名な自動車メーカーです。

I自動車様の関連物流会社であるN社は、大連から長春へコンテナで部品を輸送していますが、帰りは空コンテナの返却のみで物流コストが高く、帰りに完成車を輸送して物流コストの低減に取組みたいとの事でした。

中国内は物流も激しい競争があり、片道のみの部品輸送ではコスト競争に勝てないので、

コンテナでの往復輸送を実現し物流コストダウンが目的でしたが、

その為には自動車メーカーであるI自動車の装置承認が必要でした。

N社は過去に自社で自動車の輸送用架台を開発しましたが、安全性と作業性においてI自動車より不採用の結果が出た経緯があり、当社のマザーラックの資料を見て、長春→大連間で実用化テストをし、I自動車へ提案したいとの強い要望がありました。

2007年12月20日(木)S商事の日本ご担当者、ロッコー大牟田社長、花城部長、英則次長、郭暾熠と私の計6名は長春へ到着しました。

第一印象…とにかく“寒い” 外気温-13℃、暫く外に立っていたら彫像になりそうです。

第二印象…町中の看板、店、会社の頭文字に全て“I”が付いています!!

車も殆どがI自動車の車ばかりで、とにかくI社の力は強烈だと感じました。

ホテルに着いて荷物を置き、翌日のデモ会場に事前確認と打合せに行き、準備は全て完了。

現地S商事のご担当者様から、「何かご要望は?」と聞かれ、防寒着を買えるお店に連れて行ってもらいました。

ホテルに戻り、買ったばかりのぶ厚い服を触って、少し安心しました。

デモ本番は翌日12月21日(金)13時30分開始

・1台目コンテナ(40’×8’×9’6″)にMAZADA6×3台を搬入・搬出のデモ

・2台目コンテナ(     〃     )      〃     搬入デモ

デモ終了後2台のコンテナは、距離1000キロの大連N社へ向けての実化テストを行います。

当日の朝7:50分ホテルを出発。

会場に着きコンテナからマザーラック搬出、工具の用意等、時間がとても速く感じました。

13時前、準備が終わりみんなで簡単にパンを食べてすぐデモ会場へ戻りました。

既にお客様が何十名もお集まり頂いており、皆様はこの新しい商品についてとても興味を持っておられる様で、周りの人の説明を聞きながらマザーラックを見たり、触ったりしておられました。 時々「さすが日本設計の物ですね!」「素晴らしい!」「今の自動車の輸送問題を解決できそう」と言う声が聞こえます。

ところが、突然皆様の顔に緊張が走りました。

?ん ?どうした ?なんかあった

私の頭の中はパニック???になりました。

新たに何人かお見えになり、御紹介して頂いた方は、長春I自動車の副社長。

御自身でマザーラックを確認に来られたのです。

とても光栄で、ちょっと緊張してきました。

13:30にデモ開始。

大牟田社長は総指揮者、英則次長は車両の運転、花城部長と郭暾熠は搬入出作業、私の担当は通訳・カメラ・ビデオ撮影です。

私はビデオカメラを持ち離れた所からロッコーの4人の後ろ姿を見て、「パンダみたい、可愛い!(防寒着が分厚く色が黒なので)、動きは遅くないけどいつもよりちょっと遅い、手が凍えてるのかな? でも顔には全然出てない!」

お客様も一心に見ています。意地悪くとても冷たい風が時々吹きますが、途中で誰も離れませんでした。

結果は大成功

I自動車の副社長はとても満足そうにうなずかれました。

「事務所へ来て詳しいことを打合せして下さい」と声を掛けられ、S商事のメンバーと大牟田社長が行きました。

残った私達は周りのゴミを掃除してから休憩室で吉報をひたすら待っていると、現場の管理員さんが「御苦労さん」と熱いお茶を持ってきてくれました。

「マザーラックという良い商品とスタッフの素質が高く、とても勉強になりました」(デモ終了後、私達が周りを掃除するのを見て感動したそうです)

12月22日(土)13:00 2台のコンテナは大連N社へ到着

マザーラックの勝負の時きたぞう、心の中で叫びました。

マザーラックから6台の車両を下し、お客様の確認を頂いて・・・問題なし!

よし! 大連で安心して餃子を食べられますよ! すごく嬉しかったです。

まずは第一歩、お客様は商品に非常に満足され、今後は連絡等S商事代理で交渉することになりました。

中国市場に期待を込めて

副課長 郭シイツ[文]